



共有とは、所有権などある権利が複数の主体によって支配・利用されている状態のことをいいます。
不動産が共有名義であるというのは、不動産を複数人が所有している状態をいいます。
不動産の場合は、一緒に住む家族との共有名義だったり購入資金を援助してくれた親族などとの共有名義になっていることが多いです。
共有関係にある場合、共有者は全体を使用することができます(民法第249条)。
土地や建物について5分の1の持分を持つ共有者がいれば、その人は土地や建物の面積等のうち5分の1しか使えないのではなく、その不動産全体を使うことができます。5分の4の持分を持っている人より使える範囲が狭い、などということではありません。
また、共有している土地や建物を人に貸して賃料をもらっているような場合、各共有者は共有持分の割合に応じた賃料を得る権利があります。土地を20万円で貸しているとしたら、5分の1の持分を持っている共有者は4万円の賃料を受け取る権利があります。
さらに、共有している土地や建物の管理するときは、持分の割合が重要になってきます。管理の仕方などは過半数の賛成で決めなければなりません。5分の1の持分の人だけでは、単独で管理行為をすることはできません。
親の不動産を相続する際、その不動産がその親の単独名義であるのか、共有名義であるのかは、登記事項証明書の記載を見れば分かります。共有であれば、その持分も登記事項証明書に記載されています。
親がずっと住んでいたので当然親の名義だろうと思っていたら、叔父さんや全くの他人が共有である場合もあるのです。
では、共有名義の不動産を相続する場合はどのような点に気をつければいいのでしょうか。
たとえば、柀相続人である親が2分の1、叔父さんが2分の1の持分の共有名義の不動産の場合、相続人が3人いれば、その3人の持分はそれぞれ2分の1×3分の1=6分の1になります。叔父さんはそのまま2分の1です。
不動産は、4人の共有になります。
不動産の共有者が増えることで、不動産に関する利害関係人が増え、土地を売却したいときや活用したいときに足並みが揃わなかったり、不動産の管理方法などをめぐって共有者の関係が悪化するなどということが考えられます。
また、相続人間での折り合いが悪かったり、連絡を全くとっていなかった場合などは、なかなか話し合いがまとまらず困った事態を生じることになるでしょう。
さらに前記のケースでは叔父も亡くなって、叔父にも子どもが3人いた場合は、6人の共有となるので不動産をめぐる権利関係がさらに複雑になります。
そこで、不動産をめぐる権利関係をシンプルにするために、相続人のうち1人のみがその不動産を相続するという方法が考えられます。
その場合には、相続人全員で遺産分割協議をして、1人の相続人に不動産を相続させることを決めることになります。
また、相続人が、不動産を売却して、その売却代金を分配する方法もあります。これを換価分割といいます。
また、共有名義の土地を相続した場合に、相続人間で話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所において遺産分割に代わる処分を求めることが可能です。(民法第907条第2項)
共有状態の不動産は、相続によりさらに共有状態が細分化して複雑な問題をひきおこす可能性があります。
共有状態を相続前に解消しておくことや、遺言書を作成して不動産を誰に相続させるか、他の相続人にどのように配慮するかを決めておくことで無用なトラブルを回避することが可能です。
共有名義の不動産を相続した方も、共有名義の不動産を現在持っている方も、一度弁護士に相談してみるのがよいでしょう。
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