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相続において口約束は有効か

遺言を残そうとするとき、自分の仕事のとまで考えることを難しく感じられて、なかなかすぐには「書こう」という気持ちにならないものです。
その一方で、何かの拍子に「自分が死んだら遺産は〇〇にあげたい」といった会話をすることはあるかもしれません。
ただ、口約束で相続について言及することはあまりにもリスクが大きく、おすすめできません。
書面に残した遺言とは異なり、相続人同士でトラブルのもとになりやすいためです。
詳しく見ていきましょう。
 

口約束の相続に法的効果はない

基本的に、口約束による相続は法的効果がありません。
「被相続人が亡くなったら財産を〇〇に相続させる」と法定相続人が主張した場合、たとえ被相続人が本当にそう言い残したとしても、証拠がない以上、他の法定相続人から虚偽を疑われてしまいます。
反対に、被相続人が口約束などしていないにもかかわらず、相続人の一人が「被相続人は生前、〇〇に財産を相続させると話していた」と事実に基づかない主張をする可能性もあるのです。
口約束の相続は、「言った・言わない」の水掛け論になってしまい、不要な相続争いの原因にもなりかねません。
面倒でも書面に残しておくことがベストの選択肢です。
 

口約束が有効になるケース

ただ、口約束による相続がすべて無効になるわけではありません。
相続税対策に用いられる「生前贈与」の場合、遺言書のように必ずしも書面に残す必要はないとされています。
そのため「財産をあげる」という口約束が有効になるケースもあるのです。
また、生前贈与に似た贈与として「死因贈与」があります。
生前贈与が「自分が生きているうちに財産を贈与する」に対し、死因贈与は「自分の死後、遺産をあげる」というもので、双方の同意があれば口約束でも有効になります。
とはいえ、口約束を知らない第三者が納得できるような証拠がなければ、たとえ有効だとしても他の相続人の反感を買うかもしれません。
その場合に、次に挙げるような条件を満たせば、口約束でも証拠として法的効果を有するとみなされる可能性があります。
 

①ボイスレコーダーによる録音・撮影した動画

被相続人が生前、「〇〇に財産を相続させる」という旨の会話を録音したデータがあれば証拠として有効になるでしょう。
音声や動画など、被相続人本人が話していたとわかることが大切です。
録音できたら被相続人が亡くなるまで大切に保管しておくことです。
 

②その場にいた第三者による証言やメモ書きなど

被相続人が生前に口約束で死因贈与について言及していたことを、相続人以外の第三者が聞いていた、あるいは見ていたという客観的な証拠があれば、口約束でも認められる可能性が高いでしょう。
「死因贈与について被相続人がこんな話をしていた」と証言してくれる人なら親戚でなくても、知人、友人、近所の人でも足りるとされています。
あくまで相続人以外の人の証言であることがポイントです。
他にも、第三者が残したメモ書きやSNSなどがあれば、それも証拠として有力なものとなります。
 

③相続人全員からの承諾

上記2つの証拠がなくても、被相続人と口約束した相続人が口契約を交わした内容について、他の相続人全員の同意があれば口約束でも死因贈与として認められます。
遺産分割協議において相続人全員の実印を得ること、または財産の名義変更手続きに他の相続人が協力したことなどをもって承諾があったものとみなされます。
 

贈与契約でも書面に残しておくこと

被相続人の死後の相続に、死因贈与に関する契約も書面に残しておくことが望ましいです。
確かに口約束で成立する契約ではありますが、それを不服とする他の相続人がいたときに、やはりトラブルに発展してしまいます。
被相続人にとっても、自分の死後に相続争いが起きることは本望ではないはずです。
円滑な遺産分割協議を進めるため、面倒でも書面に残しておくことをおすすめします。
 

トラブルを防ぐために遺言を作成するべき

遺言は厳格な形式で不備や記載漏れがないように書かなければならないゆえに、ハードルが高く感じるかもしれません。
今すぐ遺言を書く必要もなければなおさら、書き残す気持ちにはなれないものです。
贈与契約も、遺言書ほど厳格なルールはありませんが、わざわざ書面にする作業が面倒だと感じる方もいらっしゃるでしょう。
ゆえに、気軽にできる口約束でとどめてしまうかもしれません。
しかし、本当に口約束したとしてもその証拠がなければ立証は困難となり、ご自身が理想とする遺産分割がかなわない可能性もあるためです。
相続人同士のトラブルを回避したい方や、自分の遺志で相続人に残す財産を決めたいという方は、遺言として書面に残すことをおすすめします。
なお、遺言の書き方についてご不明な点があれば相続に詳しい弁護士に相談の上、遺言を作成していくとよいでしょう。
形式にのっとった遺言を残しておけば、相続人としても安心です。
すでに口約束で相続について話をしてしまったという方も、弁護士に話を聞きながら遺言書を作成できます。
まずはお気軽にご相談ください。

このコラムの監修者

  • 福田大祐弁護士
  • 福田法律事務所

    福田 大祐弁護士(兵庫県弁護士会)

    神戸市市出身。福田法律事務所の代表弁護士を務める。トラブルを抱える依頼者に寄り添い、その精神的負担を軽減することを究極の目的としている。

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